建物の固有周期が震動中に変化したかどうかは、ランニングスペクトル.で調べることができます。また、地震ごとに固有周期を求めておくことで、この経時変化を調べることができます。
2021/10/07 22:41の地震において、Geo-Stickが設置された建物(4階建、RC造)の4階天井で計測された加速度時刻歴と、4階天井/1階のスペクトル比、これのランニングスペクトル比を下図に示します。
時間とともに加速度の大きさは変化しますが、ランニングスペクトル比はほとんど変化しません。これは、震動中に建物の固有周期が変化していないことを示しています。震動中に構造に損傷が発生した場合は、固有周期が長くなり、ランニングスペクトル比に変化がみられるはずです。
スペクトル比より求めた固有周期は、下図に示すとおり、ここ2年間のデータを見てもほとんど変化していません。仮に地震により建物の構造に損傷が生じた場合には、固有周期に階段状の変化が見られるはずです。
固有周期は建物の最大加速度にも、あまり影響を受けていませんが、拡大して見ると最大加速度が大きくなると固有周期は長くなる傾向が見て取れます。
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Geo-Seismo Technical Report 22スペクトル比による建物の固有周期の推定 |