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Geo-Seismo Technical Report 25

建物が建設された地盤の揺れやすさを推定

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1 概要

Geo-Stickが設置された建物の1階で計測された最大加速度や計測震度を、最寄りのK-NETの値と比較し、建物の地盤の揺れやすさを推定します。

2 最寄り3か所のK-NET観測点の平均値と比較

独立行政法人防災科学技術研究所が運用するK-NET(全国強震観測網)では、地震ごとに各観測点で最大加速度や計測震度などが公表されます。Geo-Stickが設置された建物に近い3か所のK-NET観測点について、最大加速度と計測震度の平均値を求め、これと建物1階での計測値を比較します。

下図には、建物(4階建、RC造)の位置と、最寄り3か所のK-NET観測点の位置を示します。

また、裏面には、この建物と4階建S造の建物について、幾つかの地震におけるK-NET観測点での最大加速度の平均値、および計測震度の平均値と、建物1階の計測値の関係を示します。いずれのグラフでも、K-NETの平均値と1階の計測値には明瞭な比例関係が認められます。

4階建RC造の建物では、1階の最大加速度はK-NET平均値の1/2程度、4階建S造の建物では0.8倍程度で、いずれもK-NET平均値を下回っていることがわかります。このことは、建物が建設された地盤は、基礎などの効果を含め周辺の地盤より揺れにくいことを示しています。

また、1階の計測震度とK-NET平均値との関係を外挿することで、K-NET平均値で震度6~7(計測震度5.5から6.5)の地震が発生した場合に、1階の計測震度がどの程度になるかを推定することができます。

建物(4階建、RC造)の位置と最寄り3か所のK-NET観測点
K-NETの平均値と1階の計測値の関係(4階建、RC造)
K-NETの平均値と1階の計測値の関係(4階建、S造)