スペクトル比

Geo-Stickが建築物の上下の階に2か所以上設置されている場合に、上下の2個1セットのGeo-Stickで得られたデータよりそれぞれのスペクトルを求めます。この2つのスペクトルに対し、「上」割る「下」で比をとったものがスペクトル比です。

スペクトル比が表すものは、2つのGeo-Stickに挟まれた部分の振動特性です。例えば、6階建てのビルで6階と1階にGeo-Stickが設置されている場合を考えます。6階で求めたスペクトルには、ある地震動に対する地盤や基礎およびビル本体の全ての振動特性が反映されていますが、1階で求めたスペクトルにはある地震動に対する地盤や基礎の振動特性までが反映されています。これを割り算するとビル本体の振動特性だけが浮かび上がります。求められたスペクトル比で、値が最大値を示す周期はビル本体に固有の特性値と考えられます。この特性値を地震があるごとに求めておくことで、地震により生じたビルの損傷や経年劣化などを評価する手掛かりとなります。