ランニングスペクトル

Geo-Stickにより地震時に得られた加速度データからは、フーリエスペクトルを作成することができます。フーリエスペクトルは、震動が継続した時間の全ての加速度データを用いて作りますが、これを時間を少しずつずらしながら一定の時間を区切って作成し、時間ごとに並べたものがランニングスペクトルです。Geo-Stickを用いた構造物の診断サービスでも用いられています。

加速度データより作成されたフーリエスペクトルでは、その値が最大となる周期があり、卓越周期と呼ばれます。卓越周期は、地盤や基礎を含めた建築物全体が揺れやすい周期と考えられますが、例えば、地震動により杭が損傷する、柱や梁が損傷する、液状化が発生するなど、建築物の振動特性が変化すると、卓越周期も地震動の継続中に変化する可能性があります。時間を区切って作成したランニングスペクトルにより、卓越周期の時間変化を求め、構造物の損傷の可能性を調べることができます。

ランニングスペクトルは、火山性微動地震の分析などでも用いられています。以下のリンクは、神奈川県温泉地学研究所における箱根山の火山活動研究に関するページです。

→神奈川県温泉地学研究所|7.特殊な地震の発生