キラーパルス

  • 2019.04.25

地震により大きな人的被害が発生した場合に、その地震動の卓越した周期はキラーパルス(killer pulse)と呼ばれています。1995年兵庫県南部地震の際には多くの木造家屋が倒壊し、キラーパルスの存在が認識されました。2016年熊本地震でも木造家屋に大きな被害が発生していますが、これらの地震動では周期が1~2秒の揺れが多く含まれており、これが木造家屋に対するキラーパルスと考えられています。

→地震動 – Wikipedia

キラーパルスに木造家屋が共振することで家屋の変形が大きくなり、構造部材が損傷し倒壊に至ると考えられています。一方で、最近の木造家屋の固有周期は0.1~0.3 秒ほど、古い木造家屋でも0.3~0.5 秒ほどであり、キラーパルスといわれる周期1~2秒の揺れには共振しないはずです。

これは次のように説明できます。すなわち、地震による揺れの大きさで木造家屋の固有周期が変化するためです。大地震時では大きな力が建物に加わり、構造に損傷が発生する場合があり、固有周期が長くなっていきます。損傷が進み固有周期がキラーパルスに近づくと共振により変形が大きくなり、建物の損傷がさらに拡大していきます。この結果、家屋の倒壊などが発生すると考えられます。

このような事態を避けるためには、補強工などにより、大地震時でも変形しにくく固有周期が伸びない家屋にしておくことが大切です。また、Geo-Stickのような加速度計側システムを設置しておき、地震時における固有周期の変化の度合いを知っておくことも重要であると考えます。

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