免震構造

地震のゆれから建物をまもろうという考えから、免震建築が建設されて30年以上が経過しました。現時点では、ビルで4100棟、戸建て免震住宅で4000軒ほどが建設されているとされています。

免震建築物は、基礎の上に免震装置がありその上に建物がのっています。地震時に免震装置が地震の揺れを吸収することで建物に地震の揺れが伝わりにくくなります。

免震装置としては、アイソレータとダンパーが組み合わされてが使われています。アイソレータは建物を支えるとともに、地震のときに建物をゆっくりと移動させます。種類としては、「積層ゴム」「すべり支承(ししょう)」「転がり支承 」などがあります。一方、ダンパーは建物を支える役目はせず、アイソレータだけではいつまでも続く揺れをとめることはできないので、ダンパーが抑える働きをします。種類としては、「オイルダンパー」「鋼材ダンパー」「鉛ダンパー」 などがあります。

→般社団法人日本免震構造協会|免震建築とは?
→免震 – Wikipedia

免震構造では、建物の変形が少ないため、構造体の損傷が少なく、地震後も継続使用できるという大きなメリットがあります。また、ゆっくりと揺れるため、外壁や間仕切り壁、天井材など非構造材の脱落や破損を防ぐことができます。デメリットとしては、縦揺れに対しては横揺れほど効果を見込めないことや、長周期地震動に共振しやすいことなどが挙げられます。

免震機構が機能しているかを知る方法の一つに、地震時における建物の加速度計測があります。免震機構の上と下で生じた加速度が異なっているか、加速度から推定される建物の固有周期が免震機構のない建物に比べ長くなっているか、などを調べることで免震機構の機能を確認することができます。