長周期地震動

地震が起きると様々な周期を持つ揺れが発生します。特に規模の大きい地震が発生すると、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)が生じます。このような地震動のことを長周期地震動といいます。

一方で、建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)があります。地震動の周期と建物の固有周期が一致すると、共振して建物が大きく揺れます。高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の地震動と共振しやすく、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れます。

→気象庁|長周期地震動について
→長周期地震動 – Wikipedia

また、震源が浅くて大きな地震ほど長周期地震動が発生しやすくなると考えられています。
関東平野などの大規模な平野や盆地は、柔らかい堆積層で覆われており、堆積層で長周期の地震動は増幅されます。首都圏や近畿圏や中京圏などの大都市は大規模な平野部に立地しており、これらの都市は高層化等の進展により長周期地震動による影響を受ける人口が増加しています。

一般的な鉄筋コンクリート造および鉄骨造の建物では、以下の式で固有周期が概算できます。
鉄筋コンクリート造 固有周期 = 0.02 × 建物の高さ(m)
鉄骨造       固有周期 = 0.03 × 建物の高さ(m)

例えば、大阪管区気象台で想定される南海地震の卓越周期は南北方向でおよそ4.8秒とされています。これを鉄骨造階高4.5 mのオフィスビル、鉄筋コンクリート造階高3.4 mのマンションに当てはめると、共振しやすい階高はそれぞれおよそ35階、70階となり、高層建物が長周期地震動による影響を受けやすいことがわかります。

是非Geo-Stickのような加速度計側システムを設置し、地震時における建物の固有周期やその変化を調べておくことをお勧めします。