HD-PLC

100Vなどの既存の電力線を用い高速データ通信を実現する技術が、HD-PLC(High Definition Power Line Communication)です。

→高速PLC通信とは? | HD-PLCアライアンス

HD-PLCは、パナソニックの研究所が中心となって2000年に開発した通信規格であり、電力線で電力とデータの2つを一緒に伝送し、専用アダプターをコンセントに差し込むだけで電力の供給と通信を実現する優れものです。パナソニックの創業者である松下幸之助氏が発明した、電灯と家電用ソケットの両方に使える「二股ソケット」と同様のコンセプトだとされています。魅力的な技術ですが、無線LANなどの発展に押され、いったんは忘れられかけたていました。しかし、IoT時代の到来で再び注目されています。その理由は、既存の無線LANや有線LANなどに対していくつかの優位点があるからです。

1つめは、電源のあるところであれば、ネットワーク環境を容易に構築できることです。LANケーブルの新規敷設などの必要がなく、構築コストを大幅に削減できます。2つめは、通信の安定性が挙げられる。金属など無線の届かない障害物や部屋間でも通信できるので、無線通信の不安定が解決されます。その他、マルチホップ機能によりkmオーダーでの通信も可能であることや、電力とデータを同時に扱うため、通信のための消費電力を抑えられるといった優位性も挙げられます。

Geo-Stickを既存の建物に設置することを考えると、新規にネットワーク環境を構築することが困難なケースも想定されることから、HD-PLCの活用も視野に入れています。